旅行記だけど夫婦論『旅は道づれツタンカーメン』

高峰秀子松山善三の夫婦が外国旅行の旅日記を各シリーズの第3弾。夫婦で出かけるたびだけに夫婦の話が多いのは当たり前といえば当たり前だが、今回は出発前から「夫婦とは…」という話が出てきて、旅日記というよりは夫婦論という色彩が濃い。
この本を読みながら、旅日記というのは難しいと思った。ただただ旅の想い出を綴ったところで読者にはなかなか伝わらないし、西原理恵子の『鳥頭紀行』のようにそうそう面白いエピソードばかりが起きるわけでもない。
だからここでは夫婦論なのだ。夫婦で外国を旅をすることは、いくら他にも人がいるとはいえ、夫婦の関係を改めて見つめるきっかけになるものなのだろう。何故何十年も一緒にいるのか、夫婦であるということはどういうことか。そんなことを考えながらエジプトを旅し、エジプトの古代の王様に想いを馳せ、現在のエジプト人のことも考えてみる。
読んでもエジプトがどんなところかはちっともわからなかったけれど、この夫婦がお互いを尊重し、お互いを頼り、そして支えあっているのだろいうことはわかった。
やっぱり、秀子さんの文章の部分のほうばかり読んでしまうけれど…