イラク国民議会選挙

イラクの国民議会選挙で、シーア派政党連合の「統一イラク連合」が過半数議席を占めることが確定したとありました。これが何を意味するのか今ひとつわからないので、アルジャジーラなどをざっと見てみました。それによると、

  • この結果はあまりアメリカのお気には召さない。

 アメリカが支持しているアラウィ暫定政府首相の勢力「イラキヤ・リスト」(世俗派)はクルド人勢力を下回る第3勢力となったため、アメリカは影響力を発揮することが難しい。

 スンニー派の宗教的権威であるイラクイスラム法学者委員会(?)は「占領下に国際的な監視体制が欠如したまま行われた。利害関係を持った人々しか選挙を監視していなかった」と言って、選挙の正当性自体に疑問を投げかけている。

  • アラブ各国のメディアの反応は様々だが、力の不均衡に警鐘を投げかけている。

 アラブ各国(主にスンニー派)が危惧しているのは、シーア派中心の政権が隣のイランと組むことで、中東のパワーバランスが崩れること。それはもちろん、アメリカがもっとも危惧する状況でもある。

総合すると、非常に微妙な状況だということでしょう。実際に議会が発足してみて、どう転ぶのかわからない。しかし、何らかの形でこのスンニ−派の不参加という状態を改善しないと情勢がまた不安定になってしまうに違いないわけで、なかなか難しいところです。

アルジャジーラの記事
http://english.aljazeera.net/NR/exeres/037265CD-CB74-417D-8C2E-DB957A0390D1.htm
http://english.aljazeera.net/NR/exeres/8F6FBCBC-B7D4-420C-8D52-BB768AC69A81.htm

2/14の「ほぼ日刊 日々是映画」
フランシス・ヴェベール監督『ルビー&カンタン
ジャン・レノジェラール・ドパルデュー主演のコメディ。
http://cinema-today.net/0502/14.html