スバ食いてぇなぁ…『沖縄やぎ地獄』

筆者は沖縄といえば「ビーチ、リゾート…」などということを書いているが、私にとっては沖縄といえばなんと言ってもまず食べ物!そして酒!である。だから、この筆者とはとても意見が合う。私も大学生の時に始めて沖縄に行き、その時食べた山羊汁の臭さにやられたクチだから『沖縄やぎ地獄』という題名だけで「おぉっ!」と思ってしまうのだ。そんなこんなで読み始めてみると、この語り口のよさと、実はどうでもいいような雑学のオンパレードと、実用的なグルメ情報と、時々はためになる情報とが渾然一体となって、それこそまさにチャンプルー、沖縄をめぐるエッセイがチャンプルー状態(汁気が多いからイリチー状態かな)でいい感じに調理されて出されるという感じなのだ。
沖縄に行ったことがある人は、今度行ったらこれを食べたりあれを食べたりという妄想を膨らませながらよだれをズルリとすすり、行ったことがない人は、へー沖縄ってそんなにおいしいものがあるんだとやはりよだれをズルリとすする。というとっても罪な本である。
一番圧巻といえるのは、なんと言ってもスバ(沖縄そば)に関する記述だろう。なんとなく他のそばと違うしうまいなぁと思って食べていただけの沖縄そばが実はラーメンと同じ原料!!だとか、トリビアの泉だったら満へーな感じの情報も盛りだくさんで、とにかくスバが食べたくなるのだ。
この筆者(と家族)のようにバカバカは食べられないけれど、沖縄に行くならやっぱり少しは胃を拡張していかないとねいう気にさせる沖縄グルメ読み物である。

あ、一部はネットでも見ることが出来ます。
http://www.satonao.com/publish/okinawa.html