ものから映画を見る『映画の昭和雑貨店』

川本三郎というひとはとても面白く、とても変わった人だ。本当にどうでもいいことにとことんこだわり、それで面白い本を書いてしまう。この本もその例に漏れず、懐かしい“モノ”から映画を見て行く。これはもともとは雑誌サライの連載で、単行本も全部で5冊。よくもまあネタが尽きないものだと思う。
この完結編で取り上げられるのは「テニス」や「スケートイ」といったスポーツがあれば、「麻雀」なんてのもあり、「カメラ」とか「コカ・コーラ」なんてのもある。私は先日上の松坂屋に行ったばかりだったので「エレベータ」のところをとても興味深く読んだ。
この本を読んで、ここに登場する映画を見ようと思ってもなかなか簡単には見れないのが現実ではあるけれど、昔の日本映画を見るときに、モノに注目してみると、また面白い見方が出来るのかもしれないと思った。